フランチャイズで介護業界に参入しようかと考える方に向けて、訪問看護について説明します。訪問看護は介護報酬の点数が高く収益が上げやすい業態。介護フランチャイズで運営するメリットやデメリット、運営の注意点、開業に掛かる費用を表にして解説しています。
訪問看護ステーションから、看護師等が生活の場へ訪問して、看護ケアを提供し、介護が必要な人の自立支援や療養生活を支援するサービスが訪問看護です。
指定訪問看護事業者である訪問看護ステーションでは、基本24時間365日対応で介護専門の看護師が各家庭を訪問して、適切な判断に基づいたケアとアドバイスを行ないます。
また医師や関係機関と連携をとり、さまざまな在宅ケアサービスの使い方を提案することも大切な役割のひとつになります。
介護で訪問看護を利用できる人は、要介護1~5と認定された方です。さらに医療保険、介護保険のどちらでサービスを受ける場合でも、かかりつけ医の指示書が必要となります。
利用するための費用は、介護保険で訪問看護を利用する場合は、1割の負担です。訪問看護を健康保険・国民健康保険で利用する場合は、70歳以上の方は費用の1割、70歳未満の方は費用の3割を原則として負担します。
ただし介護保険でも支払限度額を超えるサービスや保険給付対象外サービスは全額自費負担になり、健康保険や国民健康保険の場合でも一定時間を超えるサービス、休日や時間外のサービスは差額を負担することになります。
訪問看護ステーションはフランチャイズで開設する場合であっても、管轄官庁の介護保険法上の事業者指定を受けなければなりません。
メリット
開所まで様々なノウハウや法律上の知識、官公庁への提出書類、専門人員確保が必要であり、適宜フランチャイザー(本部)からアドバイスをしてもらえます。
デメリット
看護師は言うまでもありませんが専門職です。必要人数を常に揃えるためには、雇用コストが高くなる傾向にあります。知り合いなどにあてがないのであれば、こうした採用コストを考えなければなりません。
訪問看護のフランチャイジー(加盟社・加盟店)は、法人の申請者であることが必須。個人事業だと訪問看護事業所としての指定を受けられません。そのため、事業所を借りる場合も、賃貸借契約は必ず法人名義にする必要があります。
ちなみに、法人は社会保険への加入が必須となります。
そのほか、訪問介護を開業するには以下のような条件があります。
例として、常勤の看護職員が1日8時間勤務した場合、週5だと40時間働いたことになります。この40時間働いた者を1とし、2.5人以上が条件なので同じ時間だけ働ける常勤、または非常勤の職員をもう1人配置します。あと0.5人分足らないので、3人目の看護職員は40÷2で週20時間勤務する必要があります。
従業員は、看護師または保健師の資格を持った、専従で常勤の者である必要があります。また、以前に業務停止を命ぜられた場合は、期間が終了してから2年後に勤務することが出来ます。
そのほか、事情によっては相当数の理学療法士、言語聴覚士、作業療法士を配置しなければならないなどの決まりもあるので、開業前にあらかじめ知っておきましょう。
ここでは、訪問看護を開業するにあたって必要な開業資金目安、ロイヤリティなどの収支目安を表にして紹介しています。
加盟金 | 18~340万円 | |
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ロイヤリティ | 0~250万円 | |
契約期間 | 1年~ | |
研修費 | 100万円 | |
保証金 | 不明 | |
開業資金 | 設備投資 | 50万円 |
自己資金 | 100~300万円 | |
助成金 | 100~500万円 | |
売上 | 342~706万円 | |
利益 | 32~151万円 |