介護フランチャイズビジネスの中でも、配食サービスや宅配は始めやすく、人気の高まりをみせています。事業の将来性や、経営する上でのメリット・デメリット、開業費用などについて探りました。
高齢者の一人暮らしやご夫婦など高齢者のみの世帯のご自宅に、お弁当をお届けするサービスです。それと同時にお届け先の方の安否の確認をしていきます。
身体的・精神的な機能低下などで、食事の確保が困難な方々を対象としています。さらに安否の確認の必要性が高い方でも、住み慣れたご自宅で安心して暮せるよう、お食事の面で自立のお手伝いをするサービスとして、人気が高まっています。
配食サービスは、従来昼食のみや夕食のみといった少ない回数で行なわれていました。このサービスの需要が拡大し、昼食+夕食の計2食に。サービス日数も、週に2~3回から週に5~6回へと拡大する傾向にあります。
季節感のある栄養バランスのとれた食事を、お弁当として宅配を行なうだけの気軽さから、フランチャイズとして介護ビジネスを始める個人や法人の間で最近人気を集めている業態です。ケアマネージャーなどから信頼もおかれやすく、営業面のやりやすさといった観点からも、配食・宅配サービスは今後有望視される業態でしょう。
メリット
高齢者世帯数が増え、国の介護関連コストは増大していくなかで先行き不透明な公的補助に頼ることもなく、また介護保険の改正に左右されないため、安定的な収益が見込まれます。
高齢者のマーケットは今後30年間、拡大の傾向にあります。その後も高齢者市場の規模を維持しますので、長期的な視点に立った経営が可能になります。
デメリット
安定的な売上が期待できる反面、売上規模が少なく、継続的な営業活動が必要となってきます。
介護保険の改正で公的サービスが縮小傾向にあっても、高齢者は今後ますます増加します。こうした中で民間の宅配・配食サービスはマーケット需要が見込めます。
また独立・起業・開業する上で1番のネックとなる初期投資額が、他の介護フランチャイズ業態と比べても低コストで始められる利点があります。
配食サービスのフランチャイザー(本部)のHPには、特別な資格に関する情報が記載されていませんでした。そのため、詳細は直接、フランチャイザーに聞いてみる必要がありそうです。
配食サービスでは本部から提供された食材を盛り付け、高齢者の方の元へ届けるだけなので調理する必要がないほか、比較的小さいスペースと低予算で開業できます。
開業する上であえて注意すべき点といえば、食品の衛生管理でしょう。免疫力の低い高齢者であれば食中毒になった時、命に関わるかもしれませんし、衛生管理のほか従業員の健康管理などにも徹底していきたいものです。
ここでは、高齢者向けの配食サービスの開業時に掛かる費用目安やロイヤリティなどの収支目安について、表で説明しているのでぜひとも参考にしてみて下さい。
加盟金 | 0~180万円 | ||
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ロイヤリティ | 10% | ||
契約期間 | 5年 | ||
研修費 | 20~100万円 | ||
保証金 | 0~50万円 | ||
開業資金 | 設備投資 | 30万円 | |
自己資金 | 100~280万円 | ||
借入 | 不明 | ||
売上 | 80~210万円 | ||
支出 | 75~180万円 | ||
利益 | 43~54万円 |